『アイルランド、ダブリンへの旅』
3年B組 ムキ ムキ子
アイルランド、と聞いて思い浮かべるのは椎名林檎の
『茜さす 帰路照らされど』の歌詞だ。
3年B組 ムキ ムキ子
アイルランド、と聞いて思い浮かべるのは椎名林檎の
『茜さす 帰路照らされど』の歌詞だ。
「ヘッドフォンを耳にあてる アイルランドの少女が歌う夕暮れには切なすぎる 涙を誘いだしているの」

イメージ図
そこで私はアイルランドではヘッドフォンが有名なのだろう。
ヨーロッパの女性は気が強そうなので、
歌声もきっとあの人のように力強いのだろう
夕暮れはまあ、泣けるほど綺麗なんだろう(投げやり)、と想像する。
ヘッドフォン少女に心躍らせながらダブリンに到着。
空港に着くと、ベンツが私たちを待っていた。

これが噂の「黒塗りの車」、と言ったところだろうか。
間違いなくこれに乗ったら殺されそうだ。
せめて証拠に写メを撮っておこうと、手を震わせながらスマホを構えた。
命の危機を感じた時に、スマホを窓から投げ捨てて
名探偵にすべてを託すのだ。
私は何かあった時のために車から飛び降りるシミュレーションを想像しては
イメージトレーニングに勤しんだ。
ふと窓から外をのぞくと、虹が出ていた。

ああ、なんかアイルランドっぽい!
ヘッドフォン少女がいそうな感じである。
私はもう大はしゃぎだ。

はしゃぎすぎて写メはブレブレだ。
そんな私をよそに、隣に座る夫はポケモンGOである。
ポケモンGOに夢中で、全く外の景色を見ようとしない。
夫にとっては2回目のアイルランドなので、
私とのテンションが違うのは分かるが、
ポケモンGOはどこでもできるのだから、
いったんそいつは閉じて、少しは旅行気分を味わって欲しいものである。
最も夫は観光ではなく、出張なのだが。
ふいに夫が叫んだ。
「あ!!!!!!スペシャルポケモン!!」
またポケモンかよ、もううんざりだ。
「何のポケモン?」
「ミスターマイム!!!」
なんだそれは、聞いたことがない。
私はレアなポケモンしか名前を憶えていない。
ポッポなんかは「鳩」と呼んでるくらいだ。明らかにあれは雀なのだが。
ミスターマイム、名前の響きからしてあの紫色の肌した踊るおばさんだろう。

あいつ女かと思いきや、やっぱりミスターだったのか。
「ダーリン!インターネット共有するから、早くゲットしな!」
「ミスターマイムってどのポケモンよ」
「これだよ!」

これは…ヨーロッパ限定ポケモン!!!!
私は鞄からスマホを取りだして、大慌てでポケモンGOを起動する。
「いた!!」


「私も見つけた!!!どうしよう!きんのずりのみ使うか!」

「ゲット!!!」

そんな訳でアイルランド。
アイルランド…今夏なはず…
夏なのに…
なにこの気温…

ちなみに今真冬のシドニーは

大して変わらない…( ;∀;)


完全に持ってくるべき服を間違えた。